今回は、抵当権と根抵当権の違いについて、比較したいと思います
抵当権 | 根抵当権 | |
被担保債権 の範囲 | 特定債権 | 一定範囲の 不特定債権 |
付従性 | 〇 | × |
随伴性 | 〇 | × |
※ 根抵当権 = 元本確定前
被担保債権の範囲
抵当権
「住宅ローン」のように、特定の債権を担保するために、設定します
根抵当権
「銀行取引」「売買取引」のように、継続的に取引が行われる場合に、設定します
例えば、商売をやっている人が
銀行から融資を受ける
↓
返済する
↓
また融資を受ける
↓
また返済する
こういった場合です
付従性
抵当権
債権が発生しなければ、抵当権も成立しません
つまり、住宅ローンを組んで、初めて抵当権が成立します
債権成立 → 抵当権成立
の順番です
そして、住宅ローンを全額返済すると、抵当権も自動的に消滅します
なぜなら、「住宅ローン」という特定の債権のための抵当権だったからです
根抵当権
➀被担保債権の範囲
「銀行取引」「売買取引」など
②極度額
「5000万円」「1億円」など
この金額までは、根抵当権で担保(カバー)できるが、それを超えた金額については、担保されない
つまり、超えた部分については、根抵当権を設定していない債権者(一般債権者)と同じ、ということです
商売を始める際に、とりあえずこの2つを決めておけば、いつでも銀行から融資を受けられるようになるわけです
根抵当権成立 → 債権発生
の順番です
したがって、債権が無くても、根抵当権は存在することができるので、今ある借金を全額返済しても、根抵当権は自動的には消滅しません
「消滅の意思表示」が必要ということです
随伴性
抵当権
住宅ローンの銀行(A銀行)が、他の銀行(B銀行)に債権を譲渡した場合
つまり、債務者は今後、B銀行に返済することになる場合
抵当権も、A銀行から、B銀行に、自動的に移転します
したがって、債務者が返済できなくなった場合は、B銀行が抵当権を実行し、その不動産を競売にかけます
根抵当権
A銀行が、B銀行に、債権を譲渡しても、根抵当権はピクリとも動きません
例えば
A銀行が、1月に発生した債権を、B銀行に譲渡しても、根抵当権者は、A銀行のままです
つまり、B銀行は、根抵当権を実行することができません
したがって、2月以降にまた債権が発生した場合は、根抵当権者はA銀行のままですので、A銀行が、根抵当権を実行することができるのです
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